週末、映画に学べ。号外編。2009年の2月、キム・ギドク監督の新作『悲夢(ひむ)』が公開される。主演はオダギリ ジョー。その会見レポを速報でお届け。
2009年の2月、キム・ギドク監督の新作『悲夢(ひむ)』(スタイルジャム配給)が公開される。主演はオダギリ ジョー。その人気もあってか、会場は超満員である。
近作の『弓』や『絶対の愛』など、キム・ギドクは観客の想像力をかき立てる作家である。『悲夢』もまた、見るものの想像力を刺激する。 去っていった恋人を忘れられない男が、恋人を追う夢を見る。別れた恋人を憎む女がいる。男の夢は、その女の現実となる。そして男と女が出会う。現実でも夢の中でも・・。やや重層的な構成ながら、展開の妙、引きつけられる。
記者会見の前に、2分間の予告編が写される。 監督はいつもの黒っぽいキャップにTシャツ、ジーンズ。オダギリ ジョーは、黒と濃いグレーに染め分けたスーツに黒いシャツ。長髪、髭を蓄えて、イエス・キリストのような雰囲気を感じる。
監督がキャスティングとオダギリ ジョーについて語る。「映画を撮るときの心配ごとは、俳優が出てくれるかどうか。ぼくの作品は断られることが多い。オファーをしても、俳優が出演してくれるかどうか、分からない。脚本を渡すときは、一人でもとにかく出てほしいと思っている」といささか謙虚である。
監督はオダギリ ジョーの映画はよく見ている。『血と骨』『メゾン・ド・ヒミコ』『ゆれる』などに、オダギリ ジョーのエネルギーを感じ、かなり前からオファーの機会を待っていた。韓国で『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を見たとき、舞台にいる長髪のオダギリ ジョーを『悲夢』にピッタリと感じたと言う。
監督はオダギリ ジョーに『悲夢』への出演を依頼、当初オダギリ ジョーのスケジュールが合わなかったようだが、調整がついて実現した。監督から出演依頼のメールとともにあらすじを読めば、興味のある「夢」にまつわる話、そして何よりも監督への興味。ごく自然に両者の思いが一致した。
オダギリ ジョーは撮影現場にノートパソコンを持参、打ち合わせのメモなどを記録していた。その一生懸命さに監督は感動、恐怖すら感じたと笑う。パソコンの中身は企業秘密、とオダギリ ジョーは言いながらも、その日その日の撮影の流れを記録、自分なりに組み立て直したりするため、と話す。 「世界にはたくさんの映画作家がいるが、人間のどろどろした部分、惨めさや残忍な部分までを美しく見せる監督はキム・ギドクだけではないか」とオダギリ ジョー。
作品の魅力、テーマについて語る。単なるラブストーリーではない、愛が作品の中で、どのようにスパイシーな役目を果たすかを考える、とオダギリ ジョー。監督も、100%ラブストーリーではない、と続ける。
(c) 2008 KIM KI DUK FILM All Rights Reserved
「これは愛の限界を描く。つまり愛はどこにあるのか、人生を諦めるほどのものなのか、美しいだけのものなのか、愛の結末は悲劇でしかないのか、そういったことを問いかけたいと思っている」
映画のなかほど、葦の茂るシーンを引用して監督は、夢でないかも知れないし、悲しい夢かも知れない、いろんな意味を持つ重要なシーン、と結ぶ。 「あまり複雑に考えないで、気楽に見てほしい」とも。
2009年2月初旬より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷(改 渋谷アミューズCQN)他、全国にてロードショー
公式HP:http://www.hi-mu.jp
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